いい加減に良い加減 第4回


親からの「自立」

こんにちは。池宮ちかここと、ちーかーです。
突然ですが、みなさん、「自立」してますか??
「自立」って、何をもって「自立」と言うんですかね??
就職して自分で稼げるようになったら?
実家を出て1人で生活出来たら?
結婚したら??

いろいろな考え方があると思いますが、私は、
「親も1人の人間なんだな」
と思えた時、自分は自立出来たと感じました。

子どもにとって「お母さん」って、何でも出来るスーパーマンみたいに感じていませんでしたか??
言わなくても気持ちが分かったり、母親が予言したこと(主に失敗すること)が当たったり、自分に出来ない家事をこなしていたり。
私はそうでした。
自立まではいきませんが、初めて「自分が成長してる」と感じたのは、布団を押し入れにしまう時でした。(←どんなとき!?笑)

会話の内容を詳細には覚えてないんですが、畳んだ布団を押し入れに入れるように母に頼まれた時に、大した事ない理由でそれを拒否したんですよ、確か。
すると母から、「身長もあんたの方が大きいんだから、これくらいやってよ」と言われて、「ハッ!」としたんです。
その時、私は母親よりも6センチくらい身長が高く、年齢も高校生。当時50歳手前の母に比べたら、力も母よりあるのは当然です。
なのに、それを言われるまでの私は何故か、「お母さんの方が出来るし」と、思っていたんです。

その時に初めて自分が少し大人になったというか、母親から大人に近づいていると認められたような感覚になりました。

また母は、今は父親に対する愚痴をよく言います(笑)が、よく考えてみると、私が高校生くらいまでは、父親に対する愚痴を聞いた記憶がありません。
それに気づいた時に、「あ、大人として扱ってくれているのかな」と感じました。

25歳になった年に、「ゆいゆいキッズシアター」に所属する高校生向けに演劇のワークショップをやらないか、という話を貰い、引き受ける事に。
ゆいゆいキッズシアターでは、普段行っている舞台の制作や衣装、道具などの裏方はほぼ、保護者の方々が中心になってやってくれているのですが、そこは、対象年齢が高校生以上のワークショップ。

全て自分たちでやろう!

という事で、チラシデザインからチケットの作成、宣伝、本番の進行の手伝いの手配まで、全て自分たちで行いました。
いろいろと試行錯誤して作ったもののひとつが、「チラシ」でした。
私的には、「すっごい良いのできた!」と大満足!
早速、ウキウキ気分で出来上がったチラシを母に見せると、返ってきたのは意外な一言。

「なにこれ。横文字のタイトルだけでも読みづらいのに、後ろ(背景)もごちゃごちゃしてて余計に分かりづらい。お母さんたちの年齢の人は見づらいよ」

正直、ショックでした。
とても素晴らしい事なんですが、それまでうちの母親から、頑張ってきたことに対して、否定的な言葉を言われた記憶がありません。
なので、私は今回も、「すごいさー、よく出来てるねー」みたいな、肯定的な言葉が返ってくると思い込んでいたんです。
しかし、返ってきたのは、完全なるダメ出し。
言われた時は、ショックよりも、「何でこんなに頑張ったのにそんな事言うわけ!?」という怒りの方が大きかったです。

それと同時に、こんなに憤っている自分に対して、「他人から言われたらすんなりと受け入れられるのに、なんでお母さんからだとこんなにイライラするんだろ!?」という疑問が浮かびました。
数日その事について悶々と考えていたのですが、ある日、

「そっか。ちかはもう、子供じゃない。(年齢的な意味で)きっとちかの事を良い意味で子供として見なくなったから、ダメ出しが出たんだ。そして、ちかも、”母親” と思うからイライラするのか。認めてもらえてないみたいで。だったら、友達とか周りの人に思うように、母親も一人の人間として考えればいいんじゃないか?」

という考えに行き着きました。
そう思うと、気持ちが凄く軽くなって、怒りや悲しい気持ちがスーーーッと無くなっていき、頭がスッキリして、清々しささえ感じるくらいでした。

この時思いました。
「あ、親から自立したなぁ〜」と。

先日、某朝の番組のトークテーマで「親の価値観に縛られる葛藤」というものがあり、親から言われた一言を結構な年になるまで気にしていたり、それが原因でやりたい事を実行に移せなかったり…という話がありました。

また、私の周りの親との関係に悩む人の話を見聞きしたり、SNSにその話題が載っていたりすると、やはり、親を良い意味で他人(1人の人)と見れていないような気がします。

「同じことを家族じゃない他人(例えば友達)から言われたら同じような事を思うのかな?」と。

私がそう考えられるようになったのは、いつからか、母親が私を「子ども」として見なくなった(扱わなくなった)ことを感じたのも大きいと思います。

母と私、双方のそういう考え方の相乗効果があって、この考えに行き着いたのかもしれません。
母親が意識的にそうしていたのかは分かりませんが (^_^;)

ということは、まだ親を1人の人として見れていない人は、親からも「まだ子ども」と思われているのかもしれないですね。
「まだ子ども」と思っている親の方の考え方は変えられないけど、自分の考え方を変えることは出来る。

「親も1人の人間」

そういう考え方が出来ると、気持ちが軽くなり、親と接する事が楽になる人もいるんじゃないかなぁー。

番組に出ていた専門家の方は、口うるさい事を言う親などは、「今、この人は ”親” を演じているからこういう事を言ってくるんだ」と思えば、言われたことを客観的に捉えられるということを、相談者には話していると言っていました。
そういう捉え方もあるのかと、とても興味深かったです。

そう考えると、自分の子どもにも、年齢に応じて意識的に目線を変えていって、お互いに精神的な自立を目指していかなければ!と、このコラムを書きながら改めて思っています。
さて、いざ自分が親の立場になったら…出来るのかなぁ〜(笑)

■筆者information
【Instagram】@chicaco0117


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