人生七転び八起き Vol.2


【沖縄に残った理由】

県外出身者の私が沖縄に残った理由は、ズバリ「妻と結婚するため」です。
多くの県外出身者は、大学卒業と同時に地元に帰りますが、例に漏れず私も帰るつもりでいました。それで大学4年次の時に、長崎県の教員採用試験を受けました。しかも兄と一緒に。兄は3度目の挑戦でした。
7月の試験当日。私達が試験に向かう時に、母が火打ち石で厄除けしてくれたのをはっきりと覚えています。一次試験は筆記試験(一般教養・専門教養)と実技でした。実技は剣道と器械運動を選択しました。小1から6年間、剣道を習っていたので楽勝だと思いましたし、器械運動も得意だったので手応えを感じていました。

試験が終わり、大学の先輩後輩4人で打ち上げをしました。
途中、長崎市浜町アーケードでバスケットシューズ(エアジョーダンオリンピックバージョン)を即買いしました。丁度その時期に、バルセロナオリンピックが開催されていたんですよね。夜はT先輩の家に泊めてもらい、BOØWYのライブビデオを見ました。

1ヶ月後、待ちに待った合格通知が届きました。

10月。南風原町のT小学校で教育実習中でしたが、採用試験のために休みをもらい、長崎に行きました。今回も兄と一緒に受験しました。二次試験は小論文と面接で、兄の受験番号は1番で私は2番でした。私は兄の背中を見ながら小論文を書きましたが、このドラマチックなシチュエーションには感慨深いものがありました。
やはり教員経験値が0の私には難題過ぎて、小論文は上手く書けませんでした。また、面接では試験官に「一度に兄弟2人は採れないから、今回はお兄さんにしようね」と言われ、「あー、不合格だな。でも兄が採用されるからいいや」と思っていました。

1ヵ月後、予想通り不合格の通知が来ましたが、兄はやっと合格を手にしました。
そして私は「長崎はオレを必要としていない。それなら沖縄の教師になろう」という考えが芽生えてきました。

こうして私は故郷に区切りを付けたのでした。また、当時交際していた彼女の存在も大きかったと思います。長崎に帰るためには、彼女と別れなければなりません。その後、別の女性と付き合ったとしても、彼女以上の女性には、巡り会えないだろうなぁと思っていました。別れて後悔するよりは、このまま交際を続けた方がいいんじゃないかという考えに至りました。
そうして、兄に電話で「卒業後は沖縄に残ること」を伝えました。兄が「長崎で体育教師として一緒に働きたかったけん、帰ってきてほしかった。オイは長男やっけんが、両親の面倒ば見らんばいかん。ワイは次男やっけんが好いとるごとせろ。気にすんな」と言ってくれました。
この時初めて、兄の私に対する気持ちを知り、胸が締め付けられました。
「にーちゃん、ごめん」。言葉に詰まりました。

大学を卒業した私は、4月から浦添市立T小学校の臨時教員として働き始めました。13年後、そこに息子が入学するとは夢にも思いませんでした。運命って面白いですね。
3年後の11月23日勤労感謝の日。交際をスタートした日から丁度4年目の日に、プロポーズしました。場所はホテルにある、床が360周回する、回転展望台レストランでした。事前に頭の中で何度も練習したセリフを、タイミングを見計らって彼女に伝えました。彼女は最初キョトンとしていましたが「もう一回言って」と、ねだってもくれました。無事に、OKの返事をもらいました。やったー!
それから12月に帰省する際、彼女を私の両親に紹介したいと、彼女の両親に許可をもらいに行きました。するとご両親から「娘は県外に嫁がせない。婚約もしていないのにあなたの両親に合わせるのは間違っている。反対している訳ではない。ちゃんと婚約をしなさい」と結婚を認めてもらいました。それからはトントン拍子に話が進み、2ヵ月後には結納を交わすことに相成りました。ちゃんちゃん。一気に人生が開けた感じがしました。ホント、タイミングって大事ですよねぇ。

そして、2月11日建国記念の日に結納を交わしました。
私の両親は初めての沖縄旅行だったので、前日までに有名な観光地にあちこち連れて行きました。当日、結納も滞りなく終了し、父の挨拶の場面での出来事です。「息子を沖縄に取られた気がして」と突然泣き出したのです。人前で涙を流す姿を見て、両親に何の相談もせずに結婚を決めてしまい、申し訳ない気持ちになったと同時に、父の愛情の深さを知りました。

それから8月2日に結婚式を挙げ、余興では長崎の家族が地元の皿踊りを披露してくれましたが、父は勢い余って皿を割る始末。ホント、やってくれたぜ、全く。義母が「食器が割れるのは縁起がいいことだ」とフォローしてくれました。今となってはいい思い出です。
そんな私達は今年結婚25周年(銀婚式)を迎えます。

次回は少し戻って、大学生になった私が、どのように生計を立てたのかについて、お話したいと思います。

■筆者information

沖縄素潜り人 「 One Breath 」
【Instagram】https://www.instagram.com/onebreath_okinawa/
【Facebook】https://www.facebook.com/groups/210269949148092/?ref=share


別のコラムを読む

NEW PICKUP


NEW PICKUP