ある詩人の場合 第17回
詩人と箱から取り出せない物
せっかく買ったのに、箱から出さずに放置しているものはありませんか。
例えば体重計。
昨年の初夏に買ったのに、箱から出したのは今年の2月だ。
2年前に婚活メイクを習いに行った時、「髪は巻いた方が柔らかく見えます」と言われて、その時に使ったのと同じヘアアイロンをすぐさま買いに行った。
しかし1回も使ったことがないまま約2年が経ち、今年の春、ようやく箱から出して使ってみた。
さっぱりコツがわからない。
髪をブロッキングするヘアクリップは、実家にしかないのではなかろうか。
美容院に行った時に、ヘアアイロンを持参してコツを習った。
ヘアクリップも実家から取ってきた。
しかしなかなか使わない。
使うことを忘れてしまうのだ。

昨年の夏にZoom婚活をした時に、やはり必要だと考え買ったリングライト。
活用する機会がなく箱から一度も出していなかった。
できればもうZoom婚活をすることなく生きていきたいので、そのままにしていた。
某文学賞の審査会がZoomで行われることになったので、リングライトを使うことにした。
確かに明るい。他の参加者より私が明るい。
今まで私だけ異様に暗かったのに。
再ひとり暮らし3年目にして、最近ようやくプリンタを買った。
ずっと欲しかったが、なかなか買えるチャンスがなく、いつも実家のプリンタを借りていた。
ある日の昼休みに家電量販店のチラシを見ていたら、安価で買えるプリンタがあることに気付き、定時で上がってプリンタを求めて家電量販店へ。
それが月曜で、平日なかなかセットアップする時間も気力もなく、土曜に箱から取り出し、セットアップしたのだった。

こうして遅かれ早かれひとつひとつ箱から出しているのだが、まだ箱から出していないものがある。
ひとり用土鍋だ。
昨年秋に、この冬こそひとり鍋をしようと土鍋を買ったのに、箱から出さずに、結局普通の鍋で鍋をした。
今年の冬、ついに土鍋を箱から出すのだろうか。
私の友人のみなさん、冬になったら、私に「土鍋出した?」と聞いてみてほしい。
■お知らせ
トーマ・ヒロコ 詩と写真展「この島に」
沖縄の本土復帰50年、自身の生誕40年。
詩人トーマ・ヒロコが節目の年に
これまでの詩と写真を展示します。
《コラボ作家》
タイラジュン、Minotan、平敷兼七
期:9月4日(日)〜9月24日(土)
時:10:00〜18:00 火曜定休
場:平敷兼七ギャラリー
(浦添市城間1-38-6 同仁病院隣)
料:500円
駐:ギャラリー裏に2台
《関連イベント》
詩の朗読会 ※15名限定 要予約
日:9月18日(日)
時:18:30〜19:15(予定)
朗 読:トーマ・ヒロコ
ピアノ:濱松真理
料:1,000円(朗読会+展示観覧)
問:090-3792-8458


■筆者information
【著者サイト】https://mumirock1.wixsite.com/hiroko-toma
【Twitter】@hirokotoma
【Instagram】@hirokotoma
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