SPECIAL
私の本気オススメ沖縄そば2021
無化調 沖縄そば
帆掛きそば
うるま市宇堅
体に良い風を吹かせる、無化調の優しい“海”の沖縄そば
初めて訪れたのは店ができたばかりの頃の取材。それからは『そばの美味い店どこ?』と聞かれる度、必殺技のごとく「帆掛きそば」の名をだしていた。仕事柄、色んな沖縄そばを食べてきた中で、まだ「新しい!」と感動できる店に出会えるとは…幸せだ。
川沿いに立つ建物と日本庭園風の店前、色々なものがギュッと密集する安慶名交差点から、5分でのどかな空気に包まれる雰囲気は、隠れ家のようでも有りプチ旅行みたいで楽しい。
メニューが少ない店は美味いという話に説得力をもたらす2大そば。一般的に想像される肉がのったものは「帆掛きそば」の方。麺は2種類から選べるが、ここはハッキリと県産小麦「島麦かなさん」を使用した特製生麺をオススメする。
「化学調味料を不使用」とはよく見るが、「この魚を使用」と見せる沖縄そば店は珍しい。自ら釣りバカと公言する店主が釣ったイマイユ(鮮魚)を、スープの仕上げに絶妙なバランスで加えており、これがまたゆっくりスープを飲み干す時にフワッと感じる、主張しすぎない感じも素晴らしい!店内にはその日の魚が紹介され、撮影の日はどうやら店主がFacebookでも紹介した、県記録の大きなイシダイが入っているそうだ、ラッキー!
ちなみにもちろんだが、そばは農薬・化学肥料不使用の無化調なのも魅力になっている。
体に還るように染み込むスープ、最後はそぼろご飯にかけて
ここでしか食べられない特別な沖縄そば「海風そば800円〜(数量限定)」をいただく。肉は一切使わず、昆布・鰹・アーサ・アサリ・県産魚出汁で完成される味は、海の恵そのもの。優しい塩味のスープは魚の香りがしつつ、スッキリと体に染み込む。
定番ジューシーも良いが「おきなわ魚 そぼろご飯300円」に、海風そばスープをかけてシメにする裏技を教えてもらったので挑戦!まずはそのままひと口、生ふりかけ風の味を楽しみトッピングした地鶏卵黄を混ぜる…、これは確実に止まらない系ご飯だ。さらにスープをかけると、これまで関わった素材たちの味が混ざり合い、美味しさを重ねていく、止まらない!
「アクセントに」と出してくれたのは生胡椒の塩漬け。ご飯にのせて食べれば口の中で弾け、一気に大人の味にしてくれ、またご飯がすすむ。この生胡椒の塩漬けはじめ、地元発信アイテムが店内に並んでいるので、見るのも楽しい!また「帆掛きそば」で使われている器は全て「良い風を吹かせる」をテーマに製作された、やちむん作家・賀数郁美氏の作品。
同じく帆掛け繋がりで、店内には本物のサバニが展示されている。現代は職人が減っているサバニの世界を、新しい力で支えようと頑張る若い風が紹介されている。
初めて食べた時に嬉しかったのがこの昆布の存在。スープに浸かり柔らかくなった昆布が、トロッと麺に絡むのが好きなのだが、近年あまり見ない気がしている。古き良きと素材そのものの力を最大限に引き出し、新しい味を作り出した店主に感謝を込め、これからお勧め店として名前を伝えていこうと思う。
住 / うるま市宇堅7 電 / 098-973-3633 営 / 11:00〜17:00(売切れ次第終了) 休 / 水曜、不定休 駐 / 有り |
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