SPECIAL INTERVIEW

カネシマ シュン

Shun Kaneshima

2021年1月 仕事を辞めた。
仕事を辞めたのは、タイミングが重なっただけ。
やりたい事があったから。
昔やっていたバンドでも歌っていた
「生まれてくる場所は選べないけど、生きていく場所は選べる」
そう思っているから、今はこうする時だと思った。
沖縄から逃げてインドへ行った時も『ココで生きていける』と思ったし、
エリートが集まっていると思い込んでいた東京で
ホームレスになった時も『コレが俺の居場所だ』と思った。
やっぱり動けるなら動いた方がいいし、
生きる場所は自分で選んだ方がいい。

2021年1月、準備・第一弾として沖縄へ来たカネシマさんは、予定を決めずネットカフェに滞在したそう。気がつけば分刻みのスケジュール、結果的に何十人と話をして東京へ戻った。今回、筆者はその何十人で「最後に話をした人」としてカネシマさんの話を聞くことができた。


【カネシマシュンさんって何者?と思った方】
↓↓DEE okinawaさんの過去記事を読んで欲しい↓↓

https://www.dee-okinawa.com/topics/2019/03/kaneshima.html


当記事は筆者が身近な人物で面白人を取り上げようと考えた時、タイミング良く沖縄に帰ってきていた先輩であるカネシマさんと連絡が付き、決行されたインタビューである。 ※2021年1月に取材・撮影

カネシマシュンとは何者か?

公園のスケート場を見つけて「こう言うところで屋台とか呼んで、大会をしながら、選挙の事を話せたらいい。全部イベントにしたら若者だって聞いてくれるはず」とはなしてくれたカネシマさん。※2021年1月

●今回、沖縄に来た目的は何だったんですか?
退職して有給消化。
1人で次の準備したくて。会社や生活、色々と流れが変わってきた気がしていた。あまり占いを信じるタイプじゃないけど、知り合いのそう言う人にたまたま「今年は大きく変わりますよ」って言われて。
それで自分で予定入れずに沖縄へ来たんだけど、松本市長の話題を出したら翌日にお会いする事になったり、行く予定じゃなかった場所で誰かに会えたり、数えていないけど5〜60人は会えたかもしれない。

●カネシマさんってご自身で今は何者だと自己紹介するんですか?
カネシマシュンです。会社名も何もないフリーランスのカネシマシュンですねw

●次は何をしようと思ってるんですか?
政治家になりたい。

●これは次、確実に狙っていくって事ですか?
そう、ちゃんと考えて分析して場所を選んだからね(笑)。
自分が考える公約うんぬんよりも、やっぱり「直接の声」を集めたい。どんな声も拾い上げて全て議会に挙げれたらいいなと思ってる。
例えば、自分のLINEを公開して、知らない学生さんからでも直接質問や声を貰いたい。なんならGoPro付けて議会に出席して全部配信するよってくらいに、全部を明らかにして世間に興味を持たせたい。
もちろん自分の今後に不安もある。不安を抱っこしながら希望に包まれているのが今かな。

1. 「×」

●どんな仕事をしていたんですか?
最初はエンジニアで入社して営業になった。僕の仕事は掛け合わせる事、「×」って「バツ」じゃなくて掛け算で、何かと何かを掛け合わせる、この人とこの人を組み合わせたら別の仕事が生まれて面白いって、色んな掛け算や架け橋、ハブ的な立場を楽しんでやっていた。そして掛け算だから大きいほどイコールの先も大きくなる。
そこで僕はバンドマンを多く採用した。就職と離れた世界に見えるけど、実は考えて動く優秀な人材が多い、上下関係や挨拶もしっかりしているし、何よりも面白い(笑)。
これが会社のオリジナリティに繋がっていった。東京はもちろん沖縄にも結構バンドマンがいたので、よく行ったり来たりしていた。

●今までやった掛け算で印象に残っているのはどんな事ですか?
やっぱりそのバンドマンの世界と就職かな。
それまでサラリーマンしながらバンドマンって一部に違和感を持つ人も多かった。就職説明って面倒で判りにくいから格好良くラップにして、人事部だの法律だのでは言えない事も込めた。やっぱり歌の世界は自由だからね!
それでスポンサーを作って、好きな事をやって下の世代に見せて、万が一バンドが駄目でも食っていける事、迷惑をかけない事は大事だよって伝えたかった。
成功の定義は分からないけど、回りや大切な人を笑わせられたら何でも良いと思っている。自分の出来る事で、考えて最適化をしたい。良い意味で適当、適材適所、その時の最適には実は以外なモノがハマるかもしれない。
そんな風に政治の世界でも最適化がしたいと思った。省く作業じゃなくて最適化をする。すごく楽しい会社だったし仕事だった。

●では楽しんでいたその仕事をどうして退職したんですか?
政治家になって、政党を作ろうと思ったから。
さっき音楽仲間に政党のロゴを書いて貰った。元知事とか元副大臣とか色んな人にも会いに行って
叱咤激励を貰った。そもそも何かをした時に個人じゃ駄目かなと思ったから。

●それは家族会議での結果ですか?
会議っていうか年末に話した、少し動き出してから。だから相談じゃなくて報告だよね(笑)。
どうするの?反対してもやるんでしょ?迷惑かけなければいいんじゃない?って、もう家族は諦めてるんだと思う。
子どもたちからも特別に何かは無いかな、僕は両親が離婚していたから良く分からない部分もあるけど、理想の父でいたいとは思っている。
別れた父と会った時に、何を返せるか考えたらやっぱり僕が楽しんでるのを見せる事だと思った。父は何も出来ずに申し訳なかったと言うけれど、父が20の頃に僕が生まれ母も綺麗な人だったから、2人の可能性を何かしら変えてしまっただろうとも思っている。その返し方は、僕や僕の家族が楽しんでる事かなって。

2. 「楽しむ !!」

●家族もそうですが昔からの仲間もカネシマさんを支える大きな1つと感じますが、そこからの反対ツッコミは無いんですか?
それは無いかな!「馬鹿だなー」って昨日も言われたけど、例えば、アントニオ猪木さんや新庄剛志さんみたいに、格好いいな、凄いなって思っていてもそうはなりたくないなって思う存在がいて、僕はまさにそれだって先輩に言われた。
ちなみに僕、新庄さんと同じ誕生日なんだよね(笑)。


●では同じ星の元でという事で…、次の登場は庁舎屋上から降りてくるかもしれないですね?
お金があれば何でもやりたいね(笑)。興味を持ってもらえるきっかけになるのなら僕も何でもやるね!
政党も音楽レーベルみたいなもので、昔は大手の会社しかなかった。でも『PIZZA OF DEATH』が登場して若い層が「俺も出来るじゃん」ってどんどん挑戦してアートやファッションが生まれた、同じ事を政治でやりたいだけ。
ITを使って気軽にもっと若者らしくでもいいし、その予算を何に使うのか、分からない事は近くの政治家にLINEして聞いてみよう、配信見てみようとか、そんな時代が来て欲しい。
そんな事してくれる“誰か”が現れるのを待つのが嫌で、参加していないのに文句を言うのは違うと思った。テレビの前で愚痴るなら歌ってみた・弾いてみたの感覚でやってみたら良いんだよと、自分が動いて伝えていきたい。

●音楽で言うなら世間にはカネシマさんを「一発屋」と思っている人もいると思いますがどうですか?
今はね(笑)。
知事選にとは言わないけど、次は何かしらの分かりやすい目的を持って出ていきたい。
今は突然よく分からない人間が知事選に出馬した事で示せた次の段階。
みんな「時代を変える」と言うけれど、僕はレボリューションじゃなくて、先輩たちの作り上げた良い部分を残しつつ新しいを取り入れたリノベーションがやりたい。これは知事選の後、会社員に戻った時により意思を固めた感じで。
基地がいるかいらないかと言われたらいらない。でも今は必要な事もある。じゃあ海を壊していいか?それは嫌、でもこっちは壊しているし理由は…と言う話を誰もが興味を持つ方法でやりたい

●それで興味を持った若者が「僕を秘書にして」って来たらどうしますか?
お金無いよ、それでいいならと言う(笑)。
僕は自分が100点満点野郎だと思っていなくて、周りに集まる人が僕の足りない部分とかを埋めてくれると思っている。
最高の人達、他力本願じゃないけど、僕の才能は才能ある人と出会える事(笑)。僕がやってるのを見てそれなら俺もって人がどんどん出てきてくれたら最高かな

●本当に「やってみた」感覚で良いってことですね。それは2つ目に書いてくださった「楽しむ」に繋がるんですか?
そう、知ればどんな状況でも楽しめると思う。
工場で流れ作業をしていても、どうしたらコレを楽しめるか考えられるし、結婚の挨拶も就職の面接も、そのミッションを楽しめると思った。色んな事を妄想するタイプだから、こうだったらああだったらの話を沢山考えて、色んな仮説を建てるとより面白いと思う。

●それでも苦しい時はどうしたら良いですか?
頭の中でチャンネルを合わせ見たいモノを見ようとすれば良い。
その時々でチャンネルを変えれば良い話だと思っている。
僕は小学生の頃に虐められていて、週末学校が終わるとおばぁが迎えにきて沖縄市で過ごした。そこでは1番年上でどんな話も喜んでもらえた。当時は浦添と沖縄市では少し雰囲気が違っていて、浦添ではこうと話すと楽しんでもらえた。日常と違う世界があって僕は耐えられた、僕の逃げ場所だった。
そうやってチャンネルを持つことが大事だと思った。
結局、寒い時に寒いと言っても何もならないし、それなら暖かくしたり大丈夫な場所へ移動するしか無い。どんどん逃げて良い、1番大事なのは生き残る事だから、逃げても生き残ればOKだから。
28の時に全て失くなったと思って、誰も知らないインドに死のうと行ったけど、貧相なホテルで過ごす生活は不便なことや普段と違うことが何だか楽しく思えてきた。
何事も発想の転換、楽しむ気持ち(チャンネル)を持ってみる事。そして全部きっと無駄じゃなく必要だったはず、このルートを通らなかったら今は無いはず、全ての出来事に意味はあると思っている。

3.「生まれてくる場所は選べないけど、生きてく場所は選べる !!」

●知事選に出馬し突然注目を浴びたのも楽しめましたか?一躍「時の人」になってどうでしたか?
自分ではそう思ってなかったけど街で声掛けられたり、悪い事をするつもりはないけど、もう変な事はできないなと思ってる。
ハニートラップは全部引っかかってやろうと思った。何もなかったけどね(笑)。

●そうして東京に戻ってから沖縄を見た時、基地問題は沖縄だけの問題に見えましたか?
やっぱり騒いでいるのは沖縄だけに見えた。
国の問題だけど、やっぱり“沖縄”が1番身近に基地を感じているから。そう見えるようにメディアも切り取るけど、反対を叫ぶ人はめちゃくちゃいるはず。
だけどある1点を厚く見えるように、メディアの為だけに反対パフォーマンスをする場面もあるはず。でもそう言う激しい反対派演出がなかったらショッカーがいない仮面ライダーになるし、メディアも商売で経済を回さないといけない部分もあるはずだからと思う。

●そのメディアという場所でどう生きるかも、選べる事だとカネシマさんに教えていただいた気がします。
これは最初の話にも戻りますが、最後に書いていただいた「生まれてくる場所は選べないけど、行きていく場所は選べる」かなと思うんですが、カネシマさんが今まで生きた場所でベストはどこでしたか?0〜10のレベルがあるなら今は何に当たるんですか?
全部「10」だね、いつもその時のベスト。
そうなる様に自分で選んでいるはずだから。ホームレスだってそう、その時のベストで「この経験って世界中で何人がしてるかな」と思ったら楽しめていた。
常に今が1番の幸せな場所を更新し続けていたから、やり直したいと思った事は無い。過去には「あそこアレしなきゃ良かったなー」とか「食べなきゃ太らなかったなぁ」とかはある。でもそれは反省であって後悔とは違う。反省はいっぱいした方が、今後を見直せるから良いと思っている。
でも何でああしてしまったんだろうと後悔しても解決が無いからしない。
そして自然現象や不可抗力には怒らない様にしている。雨降ったの何でだよ!っては怒らないで、雨降ったからあの傘買おうって楽しむ。政治だって「こうなってるから!」と怒るんじゃなくて「こうなってるのはどうしよう」と考えて、現状に怒りをぶつけるんじゃなくて、どうしようって話をしていきたい。

●今回はカネシマさんのポイント3つを書いて貰いましたが、その上で将来の自分に何か伝えるなら、何を言いたいですか?
何年後かは分からんけど死ぬ直前の自分へ「楽しかったですか?面白かったですか?」と問いたい。人生は苦しかったですか?ではなく。
43歳、今の自分は楽しいし、港川のヤンキーにイジメもあって、貧乏だった事も全部が人生をより味わう調味料だったと思えている。きっと死ぬ前の僕は「楽しかった」って言うと思うし、もっとアレやりたかったって悔しいなと思って死にたい。

●最後に、もし家族が駄目だと言っていたらどうしたんですか?
駄目なら駄目な理由を潰す。沢山あるならそれを1個ずつ潰して駄目じゃなくする。
反対する事や拒否の理由には「恐怖」があると思う。恐怖は正体が分からないからこそ怖いけど、知ったら「そうなるよね」ってストーリーや理由が分かって、恐怖じゃなくなる(笑)。
もちろん、家族は大事だし大切。
家に帰らないといけない「重り」が、それは良い重りだなって思っていて、ミニ四駆だってある程度の重さがないと、軽過ぎて意図しない所に飛んで行ってしまう。だから今の僕がどこで走っていても、ちゃんと真っ直ぐ前に走らせてくれるんだと思っている。

本当にお世話になった先輩とあり、空港へお送りしながら車の中で聞いた1時間半のお話。
そこには滞在2週間分の凝縮された言葉や想いが詰まっていて、まさに次のステージへ、水を飲みながら早着替えするロックスターのようだと思った。

カネシマさんは話すことで2週間の出会いを落とし込んでいるようにも見えた。次のステージでどんなライブをするのか、多く人たちから今まさに注目が集まっている。

PROFILE
カネシマシュン(43歳)沖縄市生まれ、浦添と宜野湾で育ち那覇を経て東京に上京。
2021年1月那覇に帰郷。様々な経験をへて、2018年沖縄県知事選に一人で出馬し、結果3位に。
『僕らは微力だけど無力じゃない』
Twitter:@shunkaneshima
Instagram:@kaneshimashun
Facebook:https://www.facebook.com/shun.kaneshima

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