SPECIAL REPORT

2020東京オリンピック 銅メダリスト

男子グレコローマンスタイル77キロ級

屋比久 翔平 選手

母校の後輩へメッセージ

今年開催された東京オリンピック・パラリンピック、沖縄からも数名のメダリストが誕生した。
その中で大会前には本人不在の激励会を取材した、レスリング・屋比久翔平選手。その激励会のお礼にと先日、母校・県立浦添工業高校へ訪問し、全校生徒へオンラインで感謝を伝えた様子をレポート。

今の努力は必ず繋がる頑張る姿を見て頑張ってほしい!

「2時間前に計量で失格になる方ももちろんいます」
「計量後は試合までに5リットル水分をとっていて」
「試合が終わって翌日の計量にむけてまた動いて…」
そんな「オリンピック」という大舞台ならではの話題がどんどん飛び出した、校長先生や同窓会長たちとの懇談会。「試合会場だけが戦いじゃないんだなぁ」と同窓会員も驚き呟くほど、過酷な日常や試合前後の様子が聞かれた。

校長先生(写真左端)と同窓会の皆さん、屋比久選手(写真右から2番目)

2013年に同校の情報技術科を卒業し、日本体育大学に進学。卒業後はALSOKに所属しテレビCMにも出演していると、プロフィールやこれまでの戦歴・受賞歴が先生から紹介されたあと、各教室へオンラインで繋がれた画面に登場。屋比久選手が直接、ホームルーム時間の後輩たちへメッセージを送った。

屋比久選手:大会前に皆さんからいただいた沢山の応援メッセージは、僕自身すごく力になり、銅メダルまでの大きな力になりました。本当にありがとうございました。
僕は情報技術科の生徒として、皆さんと同様にこの校舎で勉強し部活も頑張っていました。今は使っていないと思いますが、古い体育館や旧武道場で、すごくキツイ練習をしていたのを思い出します。皆さんが登校している桜並木でも、日々ダッシュをしたりオンブ・ダッコなどのトレーニングに励んでいました。その中で仲間との思い出や、課題研究に励んだこと、沢山の思い出もこの場所で作り、楽しい毎日を過ごしました。今こうやって大会で活躍できるのも、この高校での毎日の勉強や努力があったからだと思っています。

帰宅前のホームルームに合わせて、職員室で話す様子が全教室に生中継された。

屋比久選手:皆さんが今ここで学んでいること、一生懸命にやっている部活、学外で取り組んでいる様々なこと、楽しいこと、好きなこと、もちろん嫌いなことも含めて、今やっていることは絶対に将来の力になってくると思っています。僕はすごくそれを実感しています。その時のためにも今、頑張っていることを前向きに取り組んでください。
僕は今、パリ大会に向けてレスリングをしています。今回はメダルを取れましたが3位という結果なので、これからの1年1年、次まで残り3年間を努力して、1番輝くメダルを持ってまた報告に来たいと思います。その頃は皆さん卒業していると思いますが、先輩が今も頑張っているなと見守ってくれると嬉しいですし、それを見て自分も何かを頑張ろうと思っていただけたら、競技者としてそれ以上に嬉しいことはないです!
皆さんも自分のやっていること、どんなことでも一緒に頑張っていきましょう!最後にもう一度、本当にありがとうございます!

力強く真っ直ぐな屋比久選手ご自身の言葉に、学校中の誰もが真剣に耳を傾けている様子は、校舎内が静まり返っていることでうかがえた。
この後は代表生徒から花束と、生徒たちが準備した写真パネルや記事が贈られた。

特別な大会の様子、そして普段の生活について

声を掛ける後輩に、メダルを渡して重さを紹介する様子。
挨拶に来た生徒たちと記念撮影も。

教室への生中継の後、私からもいくつか今大会ならではの感想や、普段の趣味について質問をさせてもらった。

●試合直後にはご家族と、画面越しにリモートで喜び合う場面も印象的でした。そのように今回が特別だったと感じる場面はどんな部分でしたか?
先輩から聞いた話ですが従来オリンピックでは、どの競技でも技をかけたり持ち上げたり、ハードルを跳んだり、何かしらの場面で会場中が大きな熱狂に包まれ、迫力満点に盛り上がる「らしい」のですが…。僕が経験した大会ではそんな場面が全く無く、シーンとした中で関係者のアドバイスやチームの人の声が聞こえるくらい、静かな中で試合をしました。それがどの大きな大会でもなかなかない特別な経験だったと思います。もう1つ自国開催という部分で、ボランティアスタッフの皆さんも日本人だからこその事を感じました。ボランティアスタッフの方から、試合前後に日本語で応援を貰えるのは、すごく特別なことだと思いました。僕が1年生の時に石垣島で行われた「美ら島総体」の時も、同じ県民という事ですごく応援してもらったんです。それを思い出して懐かしいと言う気持ちと、日本のみんなが応援してくれているんだなと感じて、どんな言葉も力になった特別な大会だと思います。

●試合後はリモートの画面越しに、ご家族とどんな会話をされていたんですか?音声も聞こえるものだったんでしょうか?
聞こえてましたし、こちらの声も届くようになっていました!おめでとう~って言われて、でも試合直後ですごく息が上がっていて『ありがとう』って伝えて、手をふるのがやっとでした。(笑)喋る余裕が無いほど、力いっぱい闘った後でした。

●次はパリに向けてということでしたが、激しいトレーニングに取り組む時期と、少しゆったり息抜きをする時期があると思うんです。大きな大会の後はどれくらいの期間ゆっくりされるんですか?
今回は試合後1ヶ月程、その様な期間をとりましたし、まだゆっくりされている選手もいると思うので人それぞれです。僕は12月の天皇杯に出るのを決めていたので、9月から徐々にトレーニングへ本腰を入れて始め今もその最中です。もちろんトレーニングを激しくしている時期でも、釣りに行ったり友達と話したり、ちょっとした息抜きをしながら頑張っている状態です。

●実は最後にお聞きしたかったのは、その釣りについてです!釣りを楽しむ様子がSNSでもありますが、沖縄でも釣りをしますか?また県外ではどんな所でやっていますか?
沖縄県内では宜野湾のマリーナ近辺ですることが多いですね。ウキ釣りやルアー釣りをします。めちゃくちゃ道具にこだわったりするタイプではなく、そもそも海に行くこと、釣りをするってこと自体が好きです。もちろん魚も釣れれば嬉しいんですけどね。(笑)県外で最近よくしているのは砂浜、サーフでのショアジギングという釣りです。僕もカツオを釣ったりしましたよ!

お父様の保さんと記念撮影

釣りの話まで終始、笑顔で応えてくれた屋比久選手。銅メダルも実際に持たせていただき、見た目以上の重さに感動!これからも無理をせず、たまにはゆっくり釣りで抜きをしながら、頑張る姿を応援しつつ、私もその姿を見て頑張ろうと思った。
最後にこの取材の場を設けてくださった、屋比久選手のお父様と、浦添工業高校の先生方、同窓会長へ心より感謝いたします。

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