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おきなわ乾物卸し専門店

池宮城商店

執筆者:照屋武志

那覇市松尾

かつて戦後の混乱期から誕生した『池宮城商店』

2023年3月19日に新しく生まれ変わった『牧志公設市場』。その施設の1階に乾物卸し専門店『池宮城商店』という60年以上続くお店がある。代表は新里武さん。元々自然豊かな名護市から那覇へ出稼ぎにきた新里さんの祖母「ゆきおばあ」が始めたお店だ。

『池宮城商店』パンフレット写真

かつて戦後の混乱期から誕生した『池宮城商店』は地域のニーズに応じて「肌着売り」や「たまご売り」から始まり、「豆腐」など地域や時代のニーズに応じて様々な商品を販売。現在はお店の名前に「乾物」とついているように独自の乾燥方法である「新里式乾燥法」を用いて「乾燥パパイヤ」、「乾燥とうがらし」、そして「薬膳プリン」など健康に役立つ商品などを販売している。

特に「薬膳プリン」はかつて新里さんが通っていた食堂のおじいから事業継承として受け継いだものという。元々は「根菜(こんさい)プリン」として提供されていた商品。それをかつてから新里さん自身が独自で学んだ薬膳の知識を活用し「薬膳プリン」として生まれ変わった。「薬膳プリン」の特徴的なところは泡盛にも使用されている「黒麹」を使用している点である。「黒麹」は麹菌の中で唯一クエン酸が入っているということで健康食品としての注目度も高い。

薬膳プリン
乾燥モズク商品

実は代表の新里さん、以前は農業高校、特別支援学校の臨時教員といて教鞭をとっていた。中々、難関である教員採用試験に合格できない中、両親から「ゆきおばあのお店が危ない」という話を聞かされる。「教員を続けたい!」という思いや「ゆきおばあのお店を引き継ぐべきか」という葛藤の中、2013年にゆきおばあから『池宮城商店』を引き継いだ。

店内には先に取り上げた各種乾物商品のほか、久米島特産品である「球美の塩・水」なや「車エビ」など久米島に関する商品も数多く取り揃えている。代表の新里さん曰く臨時教員時代、最後の赴任先が「久米島高校」。そこに思い入れがあることや歴史的に久米島は歴史的な重要な場所であり沖縄の代表的な食材が豊富であることが理由であると話す。

地域のニーズに応じて変遷していった『池宮城商店』。ゆきおばあの思いは現在の代表である新里さんに受け継がれている。人々が賑わう牧志公設市場の中で人々に健康によい商品を提供するというかつてのスタイルを残しながらもネット販売などでも商品を販売している。現在進行形で時代のニーズに応じた老舗店舗といってもよい。特に薬膳プリンは読者の方々にもぜひおすすめしたい。現地で沖縄の雰囲気を堪能しながら薬膳プリンを購入するのもよし、ネットで購入するのもよし。皆様ぜひご賞味あれ!

代表の新里武さん
久米島産「球美の塩」
池宮城商店

池宮城商店

-いけみやぎしょうてん-

web

住 / 〒900-0014 沖縄県那覇市松尾2-10-1 牧志公設市場内

電 / 098-866-6838(Fax兼用)

営 / 8:30〜18:00

休 / 毎週木曜日、第4日曜日

NEW PICKUP


やきいも

車内カーナビを頼りに所在地の住所を入力し訪ねると周囲は緑に囲まれた中に「焼き芋」という幟(のぼり)が見える。その幟のそばには「名前の無い美味しいやきいもやさん」がある。

桜杏(那覇市)

「人々の健康のお手伝い」をしたいという小さな母娘が経営するお店の大きな思いは店内の商品からも感じる。