いい加減に良い加減 第3回


「名前をなくした女神」

2011年まで放送していた、明石家さんまさんが司会の「恋のから騒ぎ」。
元々、さんまさんの番組が好きな私は、学生にとっては決して早いとは言えない時間にやっていたこの番組をみるのが大好きでした。しかも、翌日は休みなので、何の気兼ねもなく見れる!

タレントでもない一般の出演者を、さんまさんが面白可笑しく魅せてくれる、そして、恋愛に憧れていたワタシに恋愛への知識だけを沢山教えてくれた(笑)大好きな番組でした。

この番組の中で1番好きなコーナーが、番組冒頭で紹介される、恋に関する名言・格言。
たった一言なのに、胸を打つような内容のものや、思わず関心してしまうようなものもあり、毎週楽しみにしていました。
その中で、1番私の胸を打ち、座右の銘の1つになったと言っても過言ではない言葉が、

「女は結婚すると名字を無くし、子供ができると名前を無くす」

誰の言葉かは残念ながら覚えてないのですが、この言葉は、当時高校生の私に物凄い衝撃を与えました。
聞いた途端に、「すごく嫌だ!」と思った記憶があります。
結婚出産どころか、恋人もいないのに(笑)。

「自分」というものが無くなることへの恐怖を感じたのだと思います。
でもよく考えてみると、自分だって、友人の母に「〇〇(友達の名前)のお母さん」や、「〇〇(名字)のおばさん」など呼んでいたんですよね。

特にそう思うようになったのが、高校生から始めた創作エイサーの団体で中学生以下のジュニアメンバーの指導をしていた時と、浦添市の演劇ワークショップに参加した時でした。
ワークショップでは、高校3年生で最年長参加者だったのですが、最年長ということもあり、講師と子どもたちとのパイプ役、みたいなことも(勝手に)していました(笑)。
こういう時の私のモットーは、

「子どもの事を知りたいなら、親と話せ」

です。
ということで、練習を見ていた親御さんとよくおしゃべりをしていました。
その時に頭をよぎったのが、先程出てきたあの名言。

「今こそ実行すべき時だ!」と、仲良くなったお母さんたちは、みんな下の名前で呼ぶようにしていました。

2011年に、「ようこそ、ママ友地獄へ。」のキャッチコピーで放送されたドラマ、「名前をなくした女神」。杏さんが主演でしたね。
キャッチコピーからも想像できる通り、幼稚園のママ友をテーマにしたドラマでした。
ドラマの中では、「〇〇ちゃんママ」と、お母さん同士が呼びあっています。
このドラマを見た時に、数年前に見たあの名言が頭をよぎりました。

「子どもの名前+ママ」

結婚後の名字すら入っていません。

ここの中のどこに、「わたし」が入っているんだろう。
「わたし」はどこに行っちゃったんだろう。
子どもが出来ると、こんなにも「自分」が無くなるの??

考えただけで恐怖を感じました。
このドラマが始まった時、私は東京に住んで8年。
沖縄では、どこに行っても割と下の名前で呼ばれる事が多かったのに、東京に来ると、ほとんどの場所で名字呼びの「池宮さん」。
保育園で仕事をしていた時も、名字で先生と呼ばれることがほとんど。

私は元々、自分の名字があまり好きではなかったこともあり、名字で呼ばれるのが本当はイヤでした。日々過ごす時間のほとんどが仕事なのに、下の名前で呼ばれるのは1週間で何回くらいあるんだろう…
沖縄では、一人称で自分の事を自分の名前で呼ぶ人も多いと思います。
私も普段はそうです。
でも東京でコレをやると、「ぶりっ子??」って思われます。マジで(笑)。
でも私は、東京に行っても、一人称は「ちか」でした。親しくなった人の前では。
さすがに、バイトなどの仕事やあまり親しくない人の前では「私」でしたが(^^;

「ファーストネーム」が私のアイデンティティなんだと、東京に行って感じたからです。

月日は流れて、私も子どもを持ち、その子どもが保育園へ行き始めたことで、他の親御さんと話す機会が。
やはり、「〇〇ちゃんママ」と呼ばれるんですね…
呼ばれた時は、「キタ!!!!ホントに自分が〇〇ちゃんママって呼ばれてる!!」と、逆に感激したくらい(笑)。

保育園だと、お迎えが偶然一緒になって、偶然話す機会があった時くらいしか会話する事がなかったので、仕方がないかな、と思いましたが。
やはり、違和感は拭えませんでしたね、呼び方に。
「わたし」がそこにいない事も初めて実感しました。
やはり、ドラマを見て感じた通りだったなと。
自分でも「〇〇ちゃんママ」と呼んでみた事もありましたが、やはり違和感…
自分がそういう風に思っている事もあって、子どもの保育園の保護者には、なるべく名字にさん付けで呼ぶようにしていました。

呼び方で言えば。
私は夫婦間で、「パパ」「ママ」呼びをする事も同じことのように感じています。
「私はあなたの母親じゃない!」と。
なので、子どもが出来た時、旦那さんに、「絶対にちかのことを『お母さん』とかって呼ばないでね!」と、念を押していました。まだ産まれてもないのに(笑)。

やはり、それも「わたし」を無くしてしまうようでイヤだったんだと思います。
旦那さんは今でも、子供の前でも私を呼ぶ時は名前で呼びます。

「名前をなくした女神」のタイトルは、「よくぞ、このタイトルをつけてくれました!!ありがとうございます!」と思うくらい、私の考え方そのものだなと思います。
このドラマのタイトルを見た時に、ものすごい共感の気持ちと、タイトルのセンスに感激しました。

ファーストネームを呼ばれることの方が抵抗がある人もいると思うので、出来る範囲で、これから出会う方々、特にお子さんのいる方を「下の名前呼び」していきたいと思っています♪

■筆者information
【Instagram】@chicaco0117


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