園子せんせいは定時あがり Vol.1


【自己紹介】
皆さん、こんにちは。コロナもなかなか落ち着かない新年度ですが、いかがお過ごしでしょうか。毎月第1日曜のコラムを担当します、Crepi!園子と申します。周りの友人はもう小学生の子らを抱えてベテラン育児している中、35歳で高齢出産したので、戻らない体型と日々残る疲労に白目むきながら、素人ママとして可愛いムスメを育てています。
私はムスメが0歳のときにリコンしたので、沖縄では珍しくもなんともないシングルマザーでもあります。で、シンママの育児コラムを…と言われても、世間には安室ちゃんをはじめ女神レベルのシンママがゴマンと居るので、悩むわけです。いったい、読者諸賢はなにを読みたがるのか。むむむ。

というわけで、今日はCrepi!園子の、仕事の話を少し申し述べます。
私Crepi!園子は、学校の先生をしています。
高校の先生です。
学校って、いろいろです。おきなわには60校以上の県立高校(特別支援学校含む)があって、そこにはいろんな生徒がいます。「嫁に来てくれまいか」と、心のうちで願うほどの気立ての良い生徒もいれば、前途多難な将来が見えてしまい祈るしかない生徒もいます。
若いころは上手に指導できなくて、ただ激しく怒鳴ったりしていました(まぁ今もそこまで上手じゃないけど)。この子を想うほど、社会へ出た時のしんどさを軽減させてやりたいと、まぁ思っていたわけです。自分の受け持っているこの一年で、できる限りをしてやらねば、と。
帰りが9時すぎなんて普通です。若くて経験がないと、山積する仕事うまくさばけずに毎日残業です。進学校にいると、朝は7時には職員室にいるので、半日以上学校で過ごして、家に帰れば冷蔵庫の残り物食べて、バタンキュー(死語)みたいな。たまに行くバーのカウンターで教科書広げて教材研究したりもしてました。これで体育系部活動の顧問をしていたら、土日出勤は当たり前。中学校の先生なんかもっと大変ですよね、55連勤もあるっていうから…。

で、待望の子を産んで一年間の育児休暇をいただいたわけです。
子を持つと、時間の流れの一切が乳児のリズムになる。暗闇の中、朦朧としながらソファで授乳していたら、玄関の郵便受けに朝刊がガコンと入ってハッと起きる…ということもしばしば。
きっと私が20代のころの、激しく仕事をしていたときの体力や気力って、ヒトの一生の中で育児に費やされるためのものとして、備わっていたんだな…としみじみ思いながら、抜けていく髪の毛を集めていました。
それと同時に、こんなふうに朝も夕も必死で育てている親たちの姿に、ようやく気付いたんですね。生徒も、私の目の前にいる姿だけじゃない。あたりまえだけど、家族が居て、日々のささやかな営みを積み重ねて、学校という場に立ち現れている。なーんだ、と、心が軽くなりました。私の気負いは、自分が親になってみて気恥ずかしくなるほどでした。

育休から職場復帰して、一年経ちました。
毎日5時過ぎには、書類で汚い机の上のパソコンをパタンと閉じて、保育園へお迎えに行きます。ごはんを作りながら学校のあれこれを考え込んでしまうときもあるけれど、私は元気です(ジブリ)。
4月、また新しい生徒たちが、まだ固い表情で、硬い制服に包まれながら校門をくぐります。この新年度がどうか、彼らにとって実り多いものでありますようにと、祈りながら。浅学非才の素人ママですが、親業と教育を交互に眺めて、学んでいることを書いていこうと思います。
よろしくごじゃいます♡

■筆者information
当コラム著者の方は、コチラでも執筆中!
【ふくぐみ】
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