ある詩人の場合 第6回


詩人と中年

今月末に39歳になる。

30代前半の女性が自分のことをおばさんと言うと、もっと年上の女性に叱られる。
まだ30代前半なのに、自分のことをおじさんと言う男性の多いこと多いこと。
30歳を過ぎた男性は、自分のことをおじさんと言っても特に叱られないようだ。
何でみんなそんなに、自分のことをおじさんおじさん言うのだろう。
あるラジオパーソナリティーは、「自分をおじさんと言った方が楽」だと言っていた。
友人に聞いたら、「お兄さんという言葉は、実際の兄である相手(弟や妹)にしか遣わないものだと思っているので、おじさんと言っている」という独特過ぎる答えが返ってきた。

30代半ばを過ぎるとどんどん変化は起きる。

37歳になる年に、急に昨年着ていた服が似合わなくなり、洋服屋さんで気に入って試着した服も全然似合わないということが起きた。
クローゼットにある、ときめくけど似合わなくなった服は、バザーに出すために紙袋へ。
クローゼットには、そこそこときめいて似合う服が残った。
しばらくは、ときめいてなおかつ似合う服の選び方がわからなくて困ったものだ。

昨年末「あ、わたし中年かも」と思うようになった。

同級生の友達と、インスタの使い方の世代の差の話になったのだ。
若い人はストーリーズばかり更新するし、テレビのようにひたすらストーリーズを眺めるらしい。
わたしも友達もストーリーズの良さがいまいちわからない、という話で盛り上がった。
ストーリーズの良さって何だろう?
24時間で消えることの良さはわからない。
足跡が残ることじゃない?
見てくれている人の出席点呼みたいなもんだな、と思っている。

その頃「金スマ」を見ていたら、今若い男子のなりたい顔1位が謎解きの松丸君だという話題が出た。
え!?わたしは松丸君は頭がいい人という見方しかしていなかったのに、若い人たちは、その顔に憧れているのかと非常に驚いた。
確かにくりっとした大きな目は印象的だ。

ドラマを見ていても、心から楽しめなくなってきた。
これは20代の人が見る内容だわ、と思うのだ。

社会人3年目の頃、同期の子と一緒に、新卒の子たちを「若者」とおもしろがって呼んでいたが、もはやそんなレベルではない。

しかし中年も悪くない。
何だかおもしろい。
自虐するのではなく、歳を重ねることを肯定する。
失われた若さを惜しむのではなく、今だからできることを楽しめるようになった。
1982年生まれのみなさん、いかがですか。

ここまで書いて、中年は正確には何歳から何歳までなのか気になって調べてみた。
厚生労働省の調査によれば、中年は45歳からで、38歳の私はまだ壮年らしい。
壮年と言われても、正直ピンとこないけれど。

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